福山市神辺町にありますおきとう歯科クリニック院長の沖藤泰隆です。
今回は「口内炎がなぜできるのか」、そしてその原因について詳しく解説していきます。口内炎は誰もが経験する身近なトラブルですが、その裏で口腔内組織では何が起きているのでしょうか?何が起こっているのかが分かれば少しは不安や痛みが和らぐかもしれません。この記事を通して詳しく見ていきます。
口内炎ができる仕組み

口内炎は、口腔内の粘膜が正常に修復できない状態で発生します。この状態では、以下のようなプロセスが起こっています。
- 物理的・化学的損傷
食べ物や歯の摩擦、歯科器具、または刺激の強い食べ物(スパイス、酸など)が原因で、粘膜に微細な損傷が発生します。 - 組織の破壊と炎症反応
損傷箇所では上皮が破壊され、基底膜に露出が生じます。ここに免疫細胞が集まり、白血球が活発に働く炎症反応が始まります。これにより、痛みや腫れが生じます。 - 細胞修復の遅延
通常であれば損傷箇所は速やかに修復されますが、栄養不足、ストレス、睡眠不足などの影響で細胞の再生が遅れることがあります。この遅延が、痛みを伴う口内炎の長期化を引き起こします。
組織で起こる具体的な変化
口内炎では、次のような分子レベルの変化が進行します:
- 血管透過性の亢進
炎症反応によって血管が拡張し、白血球や炎症性サイトカインが患部に集中します。これが腫れや熱感を引き起こします。 - 細胞間結合の崩壊
上皮細胞間の結合が弱まり、バリア機能が低下します。この結果、さらに細菌や外部刺激が侵入しやすくなります。 - 酸化ストレスと細胞死
活性酸素種(ROS)が増加し、細胞を傷つけてアポトーシス(細胞死)を引き起こします。これが粘膜の修復を妨げる要因となります。
口内炎の予防と対策
以下の対策を取り入れることで、口内炎の発生を予防することができます:
- 口腔内を清潔に保つ
歯磨きやうがいで細菌の増殖を抑え、傷口が感染するリスクを減らします。 - バランスの取れた栄養摂取
ビタミンB2やビタミンCが不足すると口内炎ができやすくなります。野菜や果物を積極的に摂りましょう。 - ストレス管理
ストレスは免疫力を低下させ、口内炎の発症リスクを高めます。適切な休息を取りましょう。 - 適切な歯科ケア
義歯や矯正器具が原因で起きる場合は、歯科医に調整を依頼しましょう。
まとめ
口内炎の発症は、口腔内での小さな損傷が引き金となり、免疫反応や細胞の修復過程が関与します。このような現象を理解することで、より効果的な予防策を講じることができます。日常生活での注意が、健やかな口腔環境を保つ第一歩です。
参考文献:
- Nakagawa K, et al. “Mechanisms of oral mucosal inflammation.” Journal of Oral Biology, 2020.
- Yamada H, et al. “Nutritional factors influencing oral health.” Clinical Oral Health Research, 2018.
- Tanaka T, et al. “Role of oxidative stress in oral tissue injury.” Free Radical Biology, 2019.






