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2012/04/23実録!歯痛戦記
こんにちは!歯科医師の江崎です。
昨日はすごい強風でしたね。
気まぐれに雨が降ったりやんだり、急な突風が吹いたり、まさしく春の嵐でした。
そんな中をちょっと出かけてみたのですが、飛んできた木の葉が顔に激突!
なかなかの痛みでした...(T.T)
たかが木の葉と侮ってはいけないようです。
皆さん、風の強い日の外出にはご注意ください!
さて、今日は歯科医院のブログらしく少し歯の話など。
歯科における2大疾患といえば、皆さんご存知の虫歯と歯周病(歯槽膿漏とも言いますね)。
患者様が歯科医院を訪れる理由のほとんどがこのいずれかであることは、大昔から変わりないようです。
日々診療をしていて、「痛くて痛くて寝ることもできなかった!」「食事を満足にとれない」とおっしゃる方が来られることもあり、麻酔や内服薬を使用しながら治療にあたるのですが、受診されるまでの痛みと苦労を思うと自分の歯まで痛くなる錯覚に陥ることもしばしば...。
人が宇宙に行く時代になっても現代人がこれだけ苦しめられている虫歯と歯周病、実は歴史上の人物も同じように苦しめられていたという記録が残っています。
今日はそんなお話をいくつかご紹介しましょう。
まずはイギリスのエリザベス1世。
スペインの無敵艦隊を破るなど、イングランドの国際的地位を高めた大きな功績をもつ彼女ですが、実は虫歯で歯が黒く変色していたとの記録があります。
ひどい虫歯になっていても歯を抜く決心をできず、結局説得役の牧師が目の前で歯を抜かれるのを見てやっと決心したのだとか...。
当時は歯を抜くときに使用する麻酔など存在しなかったため、相当の恐怖だったと思います。
女王陛下に抜歯の覚悟をさせた牧師さんの献身には驚きですね。
日本では幕末の志士の敵役として有名な新撰組、その二番隊組長を務めた永倉新八も歯の病に苦しんだ一人です。
明治維新の後も生き延び、北海道小樽に移り、何度かの転居の後に東北帝国大学農科大学(現在の北海道大学です)の剣道部を指導し、新撰組の元隊士としては珍しく77歳まで生きました。
そんな彼の死因は、なんと虫歯を原因とする骨膜炎とそれに伴う敗血症でした。
幕末の動乱を生き延びた新撰組隊士もまさか虫歯で命を落とすことになるとは思わなかったでしょう。
文学の世界では、かの有名なシェイクスピアが戯曲の中にこんな台詞を残しています。
「歯が痛い時に黙って我慢できた哲学者などいないのだ!」
(『から騒ぎ』より)
はっきりした記述はありませんが、シェイクスピアといえども人の子、歯の痛みをこらえながら名作を書き綴ったということでしょうか?
日本からは平安文学の有名どころ、清少納言と紫式部がそれぞれにこんな事を書き残しています。
まずは清少納言の枕草子から。
【原文】(一部省略)
「十八,九ばかりの人の,歯をいみじう病みて,面もいと赤くて,おさへてゐたるこそ,いとをかしけれ。」
【現代語訳】
「十八か九歳くらいの女性が歯をひどく痛がって、顔を真っ赤にして患部を手で押さえて座っている様子はたいそう心が引きつけられる。」
歯痛をじっとこらえている若い女性の姿を描写した内容ですが、現代人の感覚からすると心がひきつけられるなどと言っている間に歯科医院へ行くことをおすすめしたくなりますね。
そしてこちらも言わずと知れた超有名作、紫式部の源氏物語より。
【原文】
「御歯の少し朽ちて、口の中の黒みて笑み給へる、かをりうつくしきは、女にて見奉らまほしう清らなり」
【現代語訳】
「歯が少し朽ちて黒ずんで見える口で笑みをお見せになる美しさは、女の顔にしてみたいほどである」
現代でいう『イケメン』について言及した内容ですが、こちらもまた私たちの感覚からはかけ離れた感じ方のようです。
洋の東西を問わず、昔は虫歯の大きな原因である砂糖は貴族などの特権階級しか口にすることができませんでした。
そのため、ある意味虫歯も豊かさの象徴、美しいものと考えられていたようです。
現代を生きる私達からすると、いずれにしてもあまり憧れる内容ではありませんね。
はるか昔から続く人間と虫歯・歯周病との闘い。
お口のトラブルで思わぬ名言を残してしまわないよう、お口の健康を大切にしていきたいものです。
カテゴリ:お口のいろいろコラム コメント(0) トラックバック(0)
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