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根尖性歯周炎の病態と強い痛みのメカニズム

こんにちは。福山市神辺町にありますおきとう歯科クリニック院長の沖藤泰隆です。今回は「治療歯について根尖性歯周炎が起こってしまったときの病態」について解説いたします。

根尖性歯周炎は、根管内部やその先に炎症が発生する病気であり、歯の根っこ周囲の骨や組織が細菌感染によって破壊されていくものです。この状態になると、ズキズキとした強い痛みが発生し、時には歯茎が腫れたり、膿が出ることもあります。


根尖性歯周炎の病態

根尖性歯周炎は、以下のような経緯で発生します:

  1. 歯の神経が壊死
    虫歯や外傷によって歯の神経(歯髄)が死んでしまうと、歯髄内は無菌状態ではなくなり、細菌が侵入します。
  2. 細菌感染の進行
    歯根の先端部分(根尖)に細菌がたまり、体の免疫細胞である白血球と激しい攻防が起こります。その結果、組織は破壊され、膿が溜まってきます。
  3. 骨組織の破壊
    炎症が進むと骨が溶け、根尖部に空洞ができることがあります。これが膿胞(のうほう)となり、慢性化することもあります。

強い痛みが起こる理由

根尖性歯周炎における痛みのメカニズムを具体的に見ていきましょう。

  1. 炎症による圧力の増加
    歯根の先端は非常に狭い空間です。炎症が起きると血液やリンパ液が集中し、圧力が高まります。この圧力が神経を圧迫することでズキズキとした拍動性の痛みを生じます。
  2. 免疫細胞と細菌の戦い
    白血球が細菌を排除するために活発に働く際、周囲の正常な組織も巻き込まれて破壊されます。このため、さらに痛みが強くなります。
  3. 骨膜の刺激
    根尖部の感染が進行し、骨膜まで到達すると、非常に鋭い痛みを感じます。骨膜は非常に神経が豊富な組織のため、わずかな刺激でも強い痛みを生じます。

急性と慢性の違い

  • 急性根尖性歯周炎:突然、激しい痛みが発生し、歯茎が腫れたり発熱する場合もあります。
  • 慢性根尖性歯周炎:痛みは軽度または無痛ですが、レントゲン検査で根尖に病変が見られることがあります。膿が排出されると一時的に痛みが和らぐことがあります。

根尖性歯周炎の治療法

  1. 根管治療
    根管内部を丁寧に清掃し、無菌状態に近づけるための治療を行います。細いヤスリ状の器具を使い、管壁を物理的に掃除します。
  2. 抗菌薬の使用
    感染がひどい場合、抗菌薬を併用して治療することがあります。
  3. 重度の場合
    根管治療で改善しない場合、外科的に感染部位を除去する手術を行うこともあります。

まとめ

根尖性歯周炎は、早期発見・早期治療が重要です。痛みがなくなったからといって放置せず、歯の異変を感じたらすぐに歯科医院で診察を受けてください。当院では、患者様一人ひとりに合った丁寧な根管治療を行い、長持ちする歯を目指した治療を提供しております。


顎咬合学会認定医の沖藤泰隆が解説しました。詳しいご相談は当院にお気軽にお問合せください。顎咬合学会についてはこちらをご覧ください。

以下に、根尖性歯周炎の痛みのメカニズムに関する参考論文を3つご紹介します。

  1. Nair, P. N. R.. “Pathogenesis of apical periodontitis and the causes of endodontic failures.” Critical Reviews in Oral Biology & Medicine, vol. 15, no. 6, 2004, pp. 348-381.
    この論文では、根尖性歯周炎の病態生理と、治療の失敗につながる要因について詳しく解説されています。
  2. Ricucci, D., & Siqueira, J. F.. “Apical actinomycosis as a continuum of intraradicular and extraradicular infection: case report and critical review on its incidence and aetiology.” Journal of Clinical and Experimental Dentistry, vol. 5, no. 1, 2013, pp. e58-e68.
    この研究は、根尖部の感染がどのように進行し、痛みを引き起こすかについてのケーススタディとレビューを提供しています。
  3. Siqueira, J. F., & Rôças, I. N.. “Microbiology and treatment of acute apical abscesses.” Clinical Microbiology Reviews, vol. 26, no. 2, 2013, pp. 255-273.
    急性根尖性膿瘍の微生物学的特徴と、それに伴う痛みのメカニズム、さらに治療法について詳しく述べられています。

 

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