福山市神辺町にありますおきとう歯科クリニック院長の
沖藤泰隆です。
顎咬合学会認定医(詳細はこちら)として、日々患者さんの口腔ケアと全身の健康を支えています。
歯周病って何?「静かなる病気」の正体を知ろう
🔹 要点まとめ
- 歯周病は「サイレントディジーズ」 – 自覚症状なく進行しやすい
- 日本成人の約70%が罹患 – 身近ながら見逃されやすい身近な病気
- 早期発見と治療が鍵 – 虫歯との違いを理解し、定期検診が重要
👀 はじめに
皆さんは「歯周病」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?「歯茎が腫れる」「年齢とともに当たり前」「痛くなるからわかりやすい」…そんな風に思っていませんか?
実は、歯周病はもっと怖く、そして静かに進行する病気なのです。
日本の成人の約70%が何らかの形で罹患している歯周病。自覚がないまま進んでいる方が非常に多く、「自分は大丈夫」と思い込んでいると手遅れになるケースも少なくありません。
🧠 歯周病とは?「静かなる病気」の正体
歯周病は別名「サイレントディジーズ(静かなる病気)」。
それは痛みなどの自覚症状がほとんどないまま静かに進行していく、とてもやっかいな病気だからです。
主な症状一覧
- 歯茎の腫れ・発赤
- 歯磨き時の出血
- 口臭
- 歯茎からの膿
- 歯の動揺
- 最終的には歯の喪失
「痛くないから大丈夫」と思っていても、すでに進行している可能性があります。
🦷 虫歯との違い
よく混同されますが、歯周病と虫歯はまったく異なる病気です。
- 虫歯:歯そのもの(エナメル質・象牙質)が細菌によって溶かされる
- 歯周病:歯を支える歯茎や骨(歯槽骨)が破壊される
つまり、歯周病では「歯が残っていても支えを失い、最終的には抜け落ちる」リスクがあります。
🥇 歯を失う原因第1位が「歯周病」
日本においても、世界においても、歯を失う原因の第1位は歯周病です。
一度溶けてしまった歯槽骨は自然には回復しません。治療は「進行の停止」、つまり失われる前に止めることが重要です。
🧭 歯周病の進行段階
- 健康な状態:歯茎は引き締まってピンク色
- 歯肉炎:歯茎の炎症のみ(この段階なら完全に治癒可能)
- 軽度歯周炎:歯槽骨の吸収が始まる
- 中等度歯周炎:骨の破壊が進行する
- 重度歯周炎:歯の動揺が激しくなり、最終的に抜歯が必要に
🔍 なぜ「気づきにくい」のか?
歯周病は慢性炎症。急性ほどの痛みを伴わず、体が炎症に慣れてしまうため、気づいたときには進行しきっていることが多いのです。
✅ メリット・デメリット整理
メリット
- 初期段階で見つかれば治癒可能
- 日常のケアで進行を防げる
- 定期検診による早期発見が可能
デメリット
- 痛みが少ないため気づきにくい
- 骨が無くなると元には戻らず、抜歯のリスクが高まる
- 高額・長期の治療が必要となる場合も
📝 まとめ
- 静かに進行するサイレントディジーズである
- 日本の成人の約70%が罹患している
- 早期発見・治療が鍵。まずは定期的な歯科検診と正しいセルフケアを始めましょう
次回は「歯周病の原因とそのメカニズム」に焦点を当てます。プラークや細菌バランス、バイオフィルム形成、ディスバイオシスといった専門的な内容を、わかりやすくお伝えしますので、ぜひご期待ください。
〈執筆:おきとう歯科クリニック院長 沖藤泰隆〉
顎咬合学会認定医
沖藤泰隆|顎咬合学会認定医
🔍 PubMed 文献引用
- Kinane DF, et al. Host–bacterial interactions in periodontitis. Periodontology 2000, 2017;75(1):55–77.
- Tonetti MS, et al. Impact of oral hygiene on periodontal health: a systematic review. J Clin Periodontol, 2017;44(3):216–225.
- Sanz M, et al. Periodontitis and diabetes: a two‑way relationship. Diabetologia, 2015;58(1):21–31.






