福山市神辺町にありますおきとう歯科クリニック院長の沖藤泰隆です。
子どもの爪噛み(咬爪症)の原因と対策

子どもの爪を噛む癖(咬爪症)は、幼少期によく見られる行動ですが、健康面や見た目に影響を及ぼすことがあります。今回はその原因、弊害、そして適切な対処法について解説します。
1. 爪噛みの主な原因
心理的ストレスや不安
入園・入学、家庭環境の変化、友達関係のトラブルなど、子どもはストレスや不安を感じることが多く、それを無意識の行動として爪を噛むことで解消しようとすることがあります。
手持ち無沙汰や感覚刺激
何もすることがないときや、爪やささくれの感触が気になって噛んでしまう場合もあります。このような行動は単なる習慣や自己刺激行動として定着しやすいです。
家庭環境や愛情の問題
「愛情不足」が原因とされることもありますが、それだけではなく、家庭内のコミュニケーションの質や、子どもが感じる不安が影響している場合があります。
2. 爪を噛む癖による弊害
感染症リスク
爪を噛むことで爪や皮膚が傷つき、細菌が侵入しやすくなります。その結果、風邪やインフルエンザのリスクが高まるだけでなく、敗血症や骨髄炎といった深刻な感染症につながることもあります。
爪や指先の変形
長期間続けることで爪が不整形になったり、爪床(爪の下の皮膚)が短くなり、指先の形が変わる可能性があります。これが将来的なコンプレックスにつながることもあります。
歯並びへの影響
乳歯から永久歯に生え変わる時期に爪を噛む癖があると、前歯に不自然な力がかかり、出っ歯や受け口、開咬などの歯並びの問題を引き起こすことがあります。
3. 爪噛みの対処法
(1) 心理的アプローチ
子どもの気持ちに寄り添う
厳しく叱るのは逆効果です。なぜ爪を噛んでいるのか、子どもの様子を観察し、不安やストレスの原因を探りましょう。優しく問いかけ、子ども自身が気づくようにサポートすることが大切です。
十分なコミュニケーションとスキンシップ
忙しい日常の中でも、1日5分程度子どもと向き合う時間を作ることで、安心感を与え、不安を和らげることができます。
(2) 物理的・行動的アプローチ
爪のケア
定期的に爪を短く切ることで、噛みたくなる部分を減らします。また、爪をやすりで整えたり、保湿ケアをするのも効果的です。
専用マニキュアの活用
口に入れても安全な苦味のあるマニキュアを塗ることで、噛んだときに不快感を与え、噛む行動を抑制できます。
代替行動の促進
ストレスボールやタオルなど、手を使って別の刺激を得られるアイテムを用意し、爪を噛む行動から意識をそらす方法も有効です。
専門家への相談
健康面(歯並びの問題など)が懸念される場合は、小児科医や歯科医、心理カウンセラーなどの専門家に相談することも検討しましょう。
4. まとめ
子どもの爪を噛む癖は成長の一過程としてよく見られますが、深刻化すると感染症や爪・歯並びの問題につながることがあります。まずは子どもの心理状態や環境要因を理解し、無理のない形で改善を進めることが大切です。
親が愛情と安心感をしっかり伝え、爪のケアや代替行動を取り入れながら、子ども自身が自分の行動に気づき、コントロールできるようにサポートしていきましょう。
参考文献
「注意欠陥/多動性障害のある子供の有無にかかわらず、母乳育児、哺乳瓶の使用、おしゃぶりの使用、および爪噛みの関係」
- 著者:S. Kurt, M. Uçar, A. Öztürk, et al.
- 雑誌名:Journal of Child Neurology
- 巻数:29
- 発行年:2014
- ページ:378-383
- 概要:この研究では、ADHDの有無にかかわらず、母乳育児、哺乳瓶の使用、おしゃぶりの使用、および爪噛みの関係を調査しています。






